2006年07月05日

兵隊さん

基隆の真砂町とその周辺には、日本軍関係の施設や軍人などの宿舎が多かったようで、兵隊さんのことも信子の話題によく出て来た。
学校にあがったばかりの信子にも、街であう 「兵隊さん」 には必ず挨拶することが強制されていた。
「兵隊さん、ありがとうございます」 と、お辞儀しなければならなかったのだと言う。学校に急ぐときとか、遊びに夢中になっているとき、「兵隊さん」 に気付かなかったら大変なことになる。

「天皇」 の軍隊は、絶対の対象であったのだから、「兵隊さん」 への挨拶を欠いてしまうと学校に通報されて、処罰されていたとのこと。処罰には父兄が学校に呼び出されるばかりでなく、おなじ学校に通う信子の兄姉が立ち会わされた。さらに罰として兄姉による力いっぱいのビンタが強要されたとのことで、幼いこころがずたずたにされた切ない気持ちを信子は話した。

信子が思い出したように、そっと口ずさんだ軍国唱歌、「お国のために戦ったー兵隊さんのおかげです ・ ・ ・」。
この歌は私も憶えているが、学校に上がったばかりの私に深い意味の記憶はないのである。
しかし、信子にはこの唱歌に重く苦い記憶が重なって、いつまでも心のなかに沈んでいたようである。

書込みの「 社寮島 」とは関係ありません。
投稿者の在所、新潟県北魚沼郡川口町です

 「 梅 雨 空 」

兵隊さん
新潟はいま、つゆ最中である。
40年ほど前のこの季節、信子が新潟を訪ねてきた。
里山にかかった靄をみて 「墨絵のよう」 ともらしていた。
前の魚野川が大きな流れとの印象も語っていた。

魚沼の田舎は、その昔と変わらないのだが、
靄のかかっている山肌は、一昨年の地震で緑を失っている。



Posted by sab at 21:06│Comments(5)
この記事へのコメント
母に聞いたら三郎次さんのことなんか分かっちゃいますた。
K井さん?(笑)
違うかな?
母の実家の屋号はキュウジロウ。
キュウジロウって久次郎って書くのかなぁ。(笑)
Posted by カータン at 2006年07月11日 06:59
かっぼたつ さん、カータン さん、るる丸 さん、メッセージ有難うございます。
筆ならぬ、キーボードのタッチがおそいので、ポツリポツリの思い出しの書き込みになっています。台湾基隆のことに仮託して書いていますが、本とは60年前に、学校で聞いた対馬丸の悲劇のこと以来、沖縄の発するメッセージをどう受け止めたのか、自分のこころの記録です。
でも、そんなに大げさのことでなく、軽くながしてもいます。
折々にメッセージをお願いします。

カータン さん、こちらの近況掲載も自己確認です。やはり大げさかな。
Posted by 三郎次 at 2006年07月10日 23:36
>兄姉による力いっぱいのビンタが強要された・・・
 ↑
これが、時代を象徴しているように思えます。
想像するだけで、苦しくなります。

写真の、
かわいそうな山肌を 霧が隠しているようですね。
Posted by るる丸 at 2006年07月10日 14:29
安田屋はその後どうなりましたか?
お店建て直したんでしょうか?

新潟の水ナスに安田屋で売ってる味噌漬け大好きでした。
原田商店に小西屋、何か記憶が蘇ってきます。(笑)
Posted by カータン at 2006年07月08日 07:43
書き込みありがとうございました

私は 学校での 日の丸掲揚国歌斉唱 にとても
嫌悪感を感じる1人です

サッカーの試合会場に行けば いっしょに
「にっぽん! にっぽん!」 と連呼はするとは思います

選手たちは 国歌斉唱の時 歌う人もいれば 歌わない人もいて
我関せずの人もいて・・・

それは 自然だと思います

学校や公共機関で 愛国心を強要するのに嫌悪感を感じます
あの忌まわしい時代を思い出すからです

私はこれまで 日の丸に頭を下げたことや 国歌斉唱をしたことが
ありません

実は私は 現在PTA会長を務めており
今まではまだ その場面が ありませんでしたが
これから その式典の真ん中にいなくちゃならない事が
予想されます 

自分の考えを人に押し付ける気はありませんし
それで 討論しようと言う気もありません
この事は自分のイデオロギーとか高尚なものでなく
アレルギーみたいなものだと 考えています

その場面に遭遇したとき 自分だけ起立せずに
自分の意思を表し 折角の式典をつぶすつもりは
ありませんので どうやって さりげなくその場面から
抜ければよいか思慮しています

副会長の時は 一歩後ろですので
すぐにその場から逃げることができましたが・・・
Posted by かつぼたつ  at 2006年07月07日 09:24
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。